グルメキャリー オーナーインタビュー

とてもシンプルなことです。店を流行らすのは、「気持ち」だけ。
もっと言えば「執念」です。不景気を嘆く店には、その執念がないのでは?と思ってしまいます。

俺はやっているとか気持ちは充分あるとか口では言ってるけど結局、熱意や思い、
とにかく気持ちが全然足りないだけで自分のどこか弱い部分に負けてるだけだと思います。

開店当初は、どれだけ待っててもお客様が入って来ない、ましてや僕は福井県の小さな村から出てきて、
知り合いも友人も全くいない完全アウェーでやっていたので最初はお客様ゼロからのスタートでした。
でも結局なにをしたかといえばお客様が来るまで店を開けておく。11時に閉めて「全然アカン」のならば朝5時まで開ける。
それでもダメなら7時まで8時までも・・・来るまで開けるという根性だけでやってました。

実際体力の限界まで働いて何度も倒れて運ばれました。しかし、死んだら死んだときなんです。
それぐらいの気持ちでやっていないと、お客様には伝わりません。

これもとても簡単なことで、人として商人として当たり前のことするだけです。
常に笑顔、常にお客様を楽しませることを心がけ、とことん「お客様の目線」になり、料理がうまいのはあたり前で
プラスやっぱり人間を売り、「あの人がいるからあそこに行こう」という様になればリピーターの数も増えるし
何よりも次また来る期間が短くなります。

簡単に言うと自分自身が「もう一度行きたい」と思える店を作るだけです。
普通の店、普通の接客ではなんの印象も残りません。
「この店かなり元気やな とにかくすごい活気やここ来たら元気になるわ、ここにいつも元気をもらいに来てる」
と言うお客様の声が多いです。とくに最後の「ここにいつも元気をもらいに来てる」と言う声は、
自分で経営している経営者の人によく言われます。とてもありがたくうれしい限りです。

「この不景気やのにすごいな!」と言われることもあり、
やっぱり不景気のせいにしてはいけないという気持ちになって経営者の人は帰られていきます。
昔は良い立地に店を出せば必ず繁盛しましたが、今はそんな時代ではありません。
「街に人が歩いていない」と嘆くよりも「人を歩いて来させる」くらいのすさまじい活気とお客様の印象に残る圧倒的な力、
あと一番大事なのはこの店楽しいと思わせることです。

いつの時代も楽しい所に人は集まるようになっています。
とにかく鉄板神社は名前も「神社」のとおり毎日祭りという設定でやっています。今では24席で一日に180人来店することもあり、
断っている人も入れたら200人の人が足を運んでくれる日もあります。朝6時でも行列ができることがあります。
これからも日々精進していきます。

この店を立ち上げるにあたっては僕は修業を一年しかしていないんですが、料理はその一年間をベースに独自にアレンジして、
商売というものに関しては(売り方、接客、人材教育など)完全我流ですべて自分で考えてやっています。

素材も吟味し、黒門・木津の両市場から、肉系は、その専門店から、部位によって業者を変えて、いろんな業者からピンポイントで
細かい仕入れをしています。毎朝新鮮なものだけを使用しています。
変なものが1つでも入っていたら即返品して新しいものを持ってこさせます。魚介類は、お造りにできる鮮度の良い品を焼きます。
素材ごとに蓋で蒸す、押さえで焼き付けるなど焼き方を工夫。
ヘルシーに焼き上げるべくオリーブオイルを使用し、他店との差別化を図っています。

世間では人件費を削る風潮がありますが、当店ではスタッフの数を減らすようなことはしません。
それだけ手厚い接客をしたいし、少ない人数ですと料理が出てくるのも当然遅くなります。
また、お客様と会話する機会も減ってしまいます。

鉄板神社の経営理念の一つに「頂いた料金以上の仕事は必ず成し遂げる」というのがあり、人件費を増してでも絶対
お客様に損はさせないという思いで人数をあえて増やして、攻めの商売をしています。
また、一人増やすごとに売上が上がっているという実績も残しています。
とにかく人は財産なので細かい利益よりも、店全体の将来を視野に入れた経営を考えています。

とにかくうちは、まず顔ですね。「常笑軍団」と制服に書いている通りまず顔を徹底して言います。
常に笑顔を自然に当たり前のようにできるまで言い続けます。

教育として大事なのは「言い続ける」ということです。「あいつに言うてもなおらんわ、あかんわ」では絶対ダメです。
そんな考えならその子を辞めさした方がましです。言わなくなるということは、諦める事と同じことで、その子の成長はその時点で
完全に止まってします。一緒に戦っている以上、愛情を持って最後まで徹底して「言い続ける」ことが大事です。
それがその子の成長にもつながります。

あとは、とにかく「プロ」という言葉を頻繁に使います。プロ意識をもって一人ひとり仕事をする事を指導しています。
例えば、プロ野球選手やプロサッカー選手と飲食店で働くことは、まったく一緒です。お金が発生した時点でプロです。
プロ野球選手が日本シリーズのレギュラーでちょっと風邪気味やどこどこ痛い、しんどいなどでその試合を休むか?ということです。
それぐらいの事で「ちょっと今日休みます」では、プロとして失格です。

飲食店もプロ野球選手もプロの世界で仕事している人は、全員同じということを徹底して教えます。
ちょっと怒られたぐらいでやめます、じゃあ、監督に怒られたら野球辞めるのか?あの世界の人たちは絶対やめないです。
現状、そんな事ぐらいで休まれたり辞めたりするということは飲食業がなめられているという事です。
だからプロの世界と飲食業も同じや、ということを言い続け、「プロ」として働くための「意識改革」を徹底して行います。

あとは、何回も言うようにとにかく鉄板神社では、自分をどんどん売れ、お客様を一対一で喜ばせる力をつけさせる。
「商売はとにかく人間対人間や」など自分を売り込んでお客様に気に入ってもらえる人間力を向上させる教育しています。
最後にやっぱり一番大事なのは、自分自身が一番働き、自分の背中を見せて、自分自身の熱い気持ちを語り続けることです。
そうしなければ従業員には伝わりません。

鉄板神社では従業員全員を「戦友」と思っています。一緒に戦う友です。
これからこの先も、この激動の時代を戦って勝ち進んでいきます。

商売の基本
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